元彼との思い出が美化される理由

付き合っていた頃は好きな相手と付き合っている訳ですから、それなりに幸福感を感じつつ付き合いっています。

ですがふたりの間にマンネリや倦怠期が訪れ、最悪な形で別れてしまったならば「一生許せない」と相手に恨まれるような別れ方になる場合もあります。

それとは逆に、別れてからしばらくした途端、ふいに思い出した元彼の記憶がどれもせつなく手放した事を後悔するような思い出ばかりでは自分でも戸惑いますし、時として気持ちを切なくも辛い状況へと追い込んでしまうようでは、新しい恋愛にもなかなか踏み出せません。

ではなぜ別れた元彼との記憶が「美化」されてしまうような事態が起こってしまうのでしょうか?

いまだに元彼に未練が残っているから

自分の方から別れ話を切り出しているならそう「未練」もそう残りませんが、問題は元彼の方から別れ話をされたり、相手の都合や浮気・二股などの許されざる事態が原因で別れる事になったなら、恨みと同時に未練が残ります。

自分の方は好きなのに、元彼の方はそうではないという悲しい現実の末、結局別れる事態になったならそれは未練は残るでしょうが、浮気・二股で一方的に自分の方が傷付けられた関係であっても、元彼に未練があれば思い出は美化されます。

男性の方が元カノとの思い出を美化しがちとはよく言われますが、これは別れた後も「オレの事が好きなのかも」という根拠の分らない自信を持っている人が多いからです。

特に自分が不幸だと感じている場合、過去の思い出を美化してしまいがちですが、別れた相手に未練がある場合、思い出補正効果で楽しかった思い出がより美化され、元彼への未練や後悔がますます大きくなる要因にもなります。

今の恋愛が満たされていないから

自分ではそう感じていなくても、元彼と別れた後好きな人ができなかったり、付き合ったとしても今彼と元彼との恋愛を比較し、心から満たされていなかったなら「元彼と付き合っていた頃の方が幸せだった」と、感じてしまうようです。

今現在の自分が満たされず、幸せをしっかりと実感できない生活を続けるうちに不満が大きくなり、過去に感じた幸福感に引き戻されて、何度も別れた事を後悔し始めます。

今現在の不満を解消させる為に過去の思い出を美化し、決して戻ることのできない日々にますます過去の美化は止まらなくなっていくのです。

ただしこの場合、散々思い出に浸っていたとしても「決して戻れない思い出」だと判りきっているので、現実主義な面が大きい女性ならある程度思い出に浸ったら、自然と前向きな気持ちになれます。

美しい思い出は脳に刻み付けられる

脳の構造上、一度覚えた記憶は楽しかった思い出や忘れたいほど嫌だった記憶も、脳の同じ場所に記録されていますが、自分が思い出したくもない「嫌な記憶」は意識的な効果で少しづつ思い出せなくなる一方、思い出しても満足できる「楽しい・美しい記憶」を何度も思い出すうちにますます美化されていきます。

自分にとっての心地よい記憶というのは、何度思い出しても気持ちの良いものなので、多少嫌な思い出であったとしても、脳の思い出補正効果で美しく塗り替えられてしまうのです。

女性は特に直感や感情が先立って行動するので「感情と記憶」が同時に脳へと記録されやすくなり、ケンカで感情が表に出やすくなっている時、記憶が鮮明になるのはその為です。

嫌な記憶が消えれば次の恋愛へ進みやすくなるから

恋愛は素晴らしいもの、人を好きにになるのは美しいことだという考えが一般的ですが、一方で失恋を極端に恐れるあまり、次の恋愛へ進む勇気が持てないという人が多いのは事実です。

経験を積み重ねていく事でしか恋愛スキルは磨けませんが、過去の辛い恋愛経験(失恋や浮気・二股等)が原因で新しい恋愛に進めないという、恋愛につまづいてしまう人々を助けてくれるのが「元彼との記憶の美化」という、脳の補正機能効果なのです。

過去の辛い恋愛経験を薄くしていき、楽しかった思い出を更に輝かせ美化させる事で「恋愛は楽しいもの」という認識に切り替わり、恋愛で傷付くことを恐れなくなり立ち直りへと気持ちを切り替え、新しい人との恋愛に進む事ができます。

ただし過去の恋愛体験の「良いとこ取り」ばかりの恋愛体験を何度も繰り返し、元彼との美化された思い出に浸っていてると、新たな恋愛スキルが学習できないので、結局新しい恋愛をしても失敗し結局同じ事の繰り返しになる恐れがあります。

過去のキレイな思い出や苦い体験も踏まえつつ、しっかりとした恋愛スキルを学習していき、苦い失敗もある程度は教訓として思い出せるくらい立ち直ったら、新しい恋愛に踏み切ると決めておく等の、自分の中での決め事を作っておけば、新しい恋愛への踏ん切りもつけやすくなります。

あなたへ伝えたいこと

誰しも辛くて悲しい恋愛体験よりも、元彼との穏やかで楽しかった日々の方ばかりを思い出したくなるでしょうが、ケンカや争いからしか生まれない復縁だってあります。

美化された思い出も大切な記憶ですが、全部の思い出を自分の中で消化してこそ「経験」として蓄積されていくので、すべての記憶の中で昇華させられるよう努めてみることをオススメします。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です